
LEICA

冬のニューヨーク、セントラルパークを歩いていた時に出会った光景。
ベンチに腰掛ける男性のまわりを、たくさんの鳩が勢いよく飛び交っていました。
静かに餌を待つ鳩もいれば、我先にと羽ばたく鳩もいる。
賑やかな羽音の中でも動じることなく座っている男性の姿が、とても印象的でした。
冬の冷たい空気と柔らかな陽射し。
赤い上着が鮮やかに浮かび上がり、鳩の羽には青や緑の光沢が一瞬だけ輝きます。
その瞬間を、Leica Q2で撮影しました。
マニュアルフォーカスで動きの速い鳩を追うのは簡単ではありません。
しかし、完璧に動きを止めるのではなく、羽ばたきのブレも含めて、その場の空気を写し込みたかった。
静かに座る男性と、画面いっぱいに飛び交う鳩。
その対比に、ニューヨークらしい生命力を感じます。
計算して撮れる写真ではなく、歩いていたからこそ偶然出会えた一枚。
こうした予想外の瞬間があるから、旅先でのスナップ撮影はやめられません。

イタリア・トスカーナ地方の古都、シエナで撮影した一枚。
丘の上に広がる街を眺めると、赤褐色の屋根とレンガ造りの建物が幾重にも重なり、その向こうにマンジャの塔が静かにそびえていました。
空には淡い月が浮かび、長い歴史を刻んできた街を優しく見守っているようです。
撮影に使ったカメラはLeica M11-P。大きな機材を持ち歩かず、街をゆっくり歩きながら、心に残った風景にカメラを向ける。
そんな旅には、シンプルで存在を主張しすぎないライカがよく似合います。
マニュアルフォーカスで構図を整え、シャッターを切るまでの静かな時間も、旅の大切な記憶になります。
中世の街並みが今も残るシエナでは、細い路地を曲がるたびに新しい風景が現れます。
華やかな観光地というより、街全体がひとつの歴史的な作品のようでした。
夕暮れ前の柔らかな光、褪せたレンガの色、空に残る月。
何百年も変わらないであろう風景を、現代のLeica M11-Pで記録する。
ヨーロッパの古い街を歩き、撮影する楽しさを改めて感じた一枚です。